不眠症と睡眠薬

不眠症には大きくわけて3つのタイプがあります。

1つは「入眠障害」と呼ばれる寝つきの悪いタイプです。

寝付けさえすれば後はよく眠れ、目覚めも比較的良いタイプです。

2つめは「中途覚醒」のタイプで、寝付くことができても睡眠の途中で何回も目が覚め、熟睡できないものです。

3つめは「早朝覚醒」のタイプで、寝付きは良くても夜明け前から覚めてしまい、朝まで再入眠できないものです。

またこれらのタイプが混合した人もおります。

不眠症の原因ですが身体的(疼痛、発熱、頻尿、下痢、鼾、等)なもの、生理的(環境変化、時差、交代制勤務等)なもの、心理・精神医学的(ストレス・失恋、失業、不安緊張、うつ病、アルコール依存等)なもの、薬の副作用によるもの、等があげられています。

不眠症も一過性あるいは短期間のものであれば何とかなりますが、長期化したものは、不眠症としてしっかりと対処し精神科、心療内科等の専門医に相談することをおすすめいたします。

長期化する不眠の原因としては心理的、精神医学的不眠が多く、睡眠薬のみでなくカウンセリングや精神安定剤を必要とするケースも多くあります。

睡眠薬はやめられなくなる、中毒になる恐ろしい薬だという根強い不安を持つ人がいます。

しかし医師の指示通りに服用する限り、現在のベンゾジアゼピン系睡眠薬は依存症や副作用も少なく、安全で量の増える心配もありません。

ただ、いくら安全な薬と言っても副作用がないわけではありません。

作用時間の長いタイプの薬では、翌朝まで眠気やふらつきが残ることがあります。

またまれに健忘といって、睡眠薬服用後の数時間の記憶がなくなることがあります。

アルコールと睡眠薬を一緒に飲むことも健忘が生じやすく、すすめられません。睡眠薬は寝たいと思う時間の30分前くらいに服用し、寝床に入り、本を読んだり音楽を聴いたりしてリラックスすることが大切です。

不眠症のほとんどは、マイスリー、ハルシオン等の超短時間作用型の睡眠薬を正しく服用すれば快適な睡眠が得られ、翌朝もすっきりと起きることができます。

睡眠薬にもいろいろのタイプがあり、強力なものから弱いものや、長時間作用するもの、中間型、短時間型、超短時間型等にわけられ、それぞれ不眠症の型、原因、程度に合わせて処方されます。

睡眠薬は早く止めなくてはならないと思ったり、周囲の人に言われたりし、急に止めてしまい却って不眠症の程度が悪くなることもあります。

ですから専門医の指示に従って徐々に減らして行くことが大切です。うまく調節できれば快適な睡眠と日常生活を得ることができます。

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