適応障害

近年、外来に適応障害の患者さんが多く受診するようになりましたのでご紹介させて頂きます。

適応障害の症状としては、抑うつ、不安、不眠、イライラ、さまざまな身体的愁訴などの神経症的・心身症的症状や、常習欠勤、遅刻、問題飲酒、事故(トラブル)頻発などの問題行動を主とします。そして次の4型に分類されます。

1.真面目な仕事人間型

職場における適応障害の最も典型的なタイプで、昇任、配転、職務の高度化・複雑化などに伴って問題が生じてくることが多い。たとえば、真面目・几帳面・完全主義的な性格だが人間関係面ではリーダーシップやマネージメントの能力を欠く者では、昇任に伴ってそのような能力が要求されるようになると職務遂行が艱難となり、うつ状態や不安、不眠、イライラなどの症状が出現し、出社困難となる。あるいは未経験の職場に移動になったり、複雑なコンピューター操作やクレーム係などを担当するようになったりした場合にも同様の問題が出現することがあります。

2.脱落型

入社後数年までの若年者に多くみられ、能力・体力・人間関係面のうち、2面で同僚よりも劣ると、職務遂行が困難となり、欠勤を繰り返し出社が困難になるのが特徴です。

3.性格型

自主性・主体性を欠き、生活リズムを保てず遅刻や欠勤が目立つようになり、やがて長期間の欠勤を繰り返すようになるタイプと、自己中心的で社会性・協調性を欠き、職場の人間関係になじめないため、継続した勤務が困難になり、長期間の欠勤を繰り返すようになるタイプがある。いずれのタイプも無断欠勤が多いのが特徴です。

4.人間関係型

職場での人間関係の悩みがストレスとなって症状が出現するタイプで、例えば、嫌な上司の下で働くようになったり、いくつかのグループに入れず仲間はずれのようになったりした場合に欠勤してしまうのが特徴です。

【対応と治療】

いずれのタイプも臨床症状に応じた薬物療法は基本ですが、それだけでは十分ではなく、本人の悩みを十分に傾聴し、場合によっては診断書を職場に提出し、職場の理解を得てきちんと休むことが重要です。

本人の回復の具合をみてリハビリ的に復職を試みますが、職場の異動や転職を余儀無くされることもあります。

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